開講科目ピックアップ

開講科目ピックアップ

民法Ⅰ

本講義は、民法総則を扱います。民法総則は、物権関係と債権関係に共通する原則(人・法人・物・法律行為・時効など)を定めるものであり、他の民法分野の前提となる基礎的知識が多く含まれているため、民法の中で第一に勉強する領域です。初めは若干抽象的で難しい印象を受けますが、他の民法分野と有機的に連動しているため、総則で学んだ事柄を、同時並行で行われる民法Ⅱ(物権法)や民法Ⅵ(契約法)での学修において具体的に活用することによって、総則に対する理解は飛躍的に進みます。講義では、民法総則に関する基本的知識の整理、判例や学説に見られる基本的理論の理解をめざし、これを具体的な事案において応用できる力を養うことを目標とする民法演習に備えます。

刑法Ⅲ

いわゆる「刑法各論」に相当する科目。個別の犯罪に特殊な成立要件及びその限界を、規定上の文言の解釈を通じて明らかにするのが、刑法各論の任務です。この授業では、個人的法益に対する罪はほぼ網羅的に、そして社会的法益に対する罪からは放火罪、文書偽造罪、さらには国家的法益に対する罪からは公務執行妨害罪、犯人蔵匿・証拠隠滅罪、収賄罪等を取り上げ、上記の作業を出発点としつつ、具体的な事案においてその成果を応用できるよう、普段の授業時から配慮し、総論で得た知識との融合をもめざします。

憲法演習

実際の裁判の中で訴訟当事者によって展開される憲法論議、そして裁定機関としての裁判所の下す憲法判断は、法曹実務家をめざす者が当然に身につけなければならない法的知識であり、思考方法です。憲法演習では、これらの法的知識・思考方法の修得のみならず、判例のとる判断枠組を正確に理解し、それを使い回す技法をも修得することをめざします。基本判例を憶えることだけでなく、判例の妥当性を検証しながら、新たな紛争解決に役立つ理論を検討します。

臨床実務Ⅰ

法律実務の現場(臨床)の実例について、実際の法律相談への立会・法律事務所の見学(エクスターンシップ)も含めて学習します。愛知県弁護士会所属弁護士のバックアップを得て、(1)子ども及び女性の権利(児童虐待・少年非行・DV)(2)民事介入暴力対策(3)犯罪被害者支援(4)高齢者・障害者の権利擁護の4分野のスペシャリスト(弁護士)から、弁護士という仕事の喜びと悲しみ、苦労ややりがいを伝えてもらう臨場感あふれた授業・実習を展開します。

民事訴訟実務基礎Ⅰ

民事訴訟の基本的な構造を理解するために、問題演習等を通じて要件事実の意義を学びます。実際の訴訟を想定して訴状等の書面を作成することで、具体的事実に則した法的主張を展開する訓練を行います。裁判官教員と弁護士教員、研究者教員がそれぞれ講義を分担するとともに、一部の共通テーマについては複数の教員が出席してそれぞれ別の角度から意見を披瀝して受講者の多角的な理解を図ります。

刑事訴訟実務基礎Ⅰ

現職の検察官が講義を担当します。刑事訴訟実務の基礎を理解し、机上で具体的なイメージを持たないまま学習している刑法、刑事訴訟法の諸問題が、実際の刑事事件の捜査過程や裁判手続のどこでどのように検討されているのかを具体的に考えることができるようにします。

企業法務Ⅰ

企業法務とは、企業の活動に伴って生ずるトラブルの予防や、現実に発生した紛争を解決するための法律事務全般をさします。企業もまた社会の一員である以上、法令を遵守し社会的責任を果たしつつ事業を行わなければなりません。そのためさまざまな法律群が検討対象になりますが、この講義では会社法を中心に、具体的なケースに即して企業の法務担当者に有効かつ適切な解決策をアドバイスできる能力を涵養することを目的としています。

現代中国法

社会主義法の国である中国は、1970年代以降活発な立法作業を続け、今では堂々たる成文法の国となっています。しかも、その成文法の基礎を解析すると、紀元前から清朝まで続いた帝政期の固有法、国民党政府による近代立法、ソビエト・ロシアの影響を受けた革命根拠地法、香港・マカオの返還に伴う英米法の摂取等、さながら法文化の坩堝(るつぼ)の観があります。かかる現代中国の法治の内実とその変遷はどのようなものかに重点を置いて考察します。また、中国進出企業の法務担当者など中国法の実務に関わる経験者を招き、実体験等を交えた話を聞く機会を設ける予定です。