成長し続けるコスプレイベントを ツーリズムの視点から分析。今回は、毎年名古屋で開催される「世界コスプレサミット(WCS)の継続要因」について卒業研究中間発表が行われた。はじめにコスプレの定義や歴史、WCSの概要が説明された後、13年間続く要因が語られる。「2003年にはじまったWCSは、開催を重ねるごとに多方面から注目が集まり、2007年には外務省と国土交通省の後援が決まり、その後もブラザー工業や中部国際空港といった地元企業を中心とした多くの企業の協賛を得るまでに成長しました」。開催規模の拡大に伴い、官民一体となった“名古屋をコスプレの聖地に”という動きが活発化。2015年には過去最大となる約248,000人が来場した。「加えて、WCS実行委員会によってコスプレに関する禁止事項が規定され、健全な運営が保守されていることも大きな要因の一つです」と続いた。学生から「仮装はコスプレか否かという議論があるので、その関係性についても知りたい」「過度な露出が禁止されていますが、その境界の規定が難しい」といった意見が出された。別の学生からの「コミックマーケット(コミケ)でのコスプレとWCSの関連はあるのですか?」との質問には、「コミケの運営もWCS実行委員会が担っています。次回コミケでもフィールドワークを行う予定です」と回答した。先生が「関連イベントを広く視察することは非常に意義があるね。WCSが長く続く要因として行政や企業の関与を挙げるのであれば、参加者が果たしてきた役割についても言及すべき。参加者なくしてイベント継続は困難だからね」と総括した。
